お知らせ

令和4年度意思決定支援研修(Web研修)を開催しました。

2022.12.21

 昨年度に引き続き、令和4年12月1日(木)及び令和4年12月7日(水)の2日間で、サブリーダー級の職員及び経験年数4年以上の職員を対象に、意思決定支援研修(Web研修)を開催しました。
 講師には、山形県立保健医療大学の安保寛明教授をお招きし、意思決定支援についてあらためて確認するとともに意思決定支援ガイドラインに則った支援方法について事例を用いながら講義・演習を行っていただきました。

山形県立保健医療大学 安保寛明教授

 講義では、意思決定支援の要点、必要性、実践、ガイドラインについてグループワークを行いながら講義いただきました。出席者には多くの気づきが生まれたようです。


※研修後アンケート 一部抜粋

1日目
・意思決定支援について、様々な考え方があり、重度の障害がある方も意思表出の機会をもっと作る工夫をしていかなければいけないと感じました。その方法も研修の中で知ることができて、非常に勉強になりました。(障がい者入所施設/援助員)
・現在、介護現場で働いていますが、日常的に忙しく、なかなか利用者さんとゆっくり向き合える時間がありません。少しでも利用者さんに寄り添える時間を増やせるよう、常に意識しながら日々の業務にあたっていきたいと感じました。(特別養護老人ホーム/援助員)

2日目
・当施設では、意思決定が難しいと思われる方でも、普段の関りの中で、様々なサインを出しているだろうし、それを拾い上げるために、その方の意思を表す手掛かりとなる情報と、その情報から推測される意思(希望・好み・価値観など)を協議したり共有する機会を増やしたい。また、選択肢が少ないのではないか懸念している。スタッフ全体で『こういう選択肢もあるよ』を増やしていきたい。先生の「ルールはコミュニケーションの場を減らしている」の言葉が刺さっています。『そのルールは何のため?』なのか、メリット・デメリットを挙げ再考することで、選択肢が増やせればと考える。(特別養護老人ホーム/理学療法士)
・意思決定支援は、決定表示だけではなく、意思形成・意思表明・意思実現の3つの段階があるというここと学びました。意思形成のためには、色々な経験をすること、安心して話ができる環境が大切だと思いました。
 就労支援でも、意思決定支援でも、相手のことをよく知るためにアセスメントが重要だと感じました。(障がい者就業・生活支援センター職員)
・終期末の医療について、本人の意思や家族の意思確認などクライシスプランを事前に作成しておくことは重要と思いました。また、身元引受人が親や兄弟ではなく、姪や甥になり、本人の状況が分からなくなった時の対応についても検討しておく必要があると思いました。
 リスクの最小化ではなく、自由制限の最小化が意思決定支援では大事となることも考えさせられたところでした。(障がい者入所施設/援助員)


 当事業団では、今回の研修で学んだことを、日々の支援に活かし、利用者により充実した生活を送っていただけるよう努めていく所存です。
 結びに、この場をお借りして、研修講師をお引き受けいただいた安保教授に、あらためて御礼申し上げます。